運動会
二学期の中頃になれば気候もよくなり、子どもたちの動きが活発になって、体育遊びや戸外活動が盛り上がってきます。このような子どもたちの状態をとらえて、日頃の活動を大切にしながら運動会を行ないます。「楽しかった」「また運動会をやりたい」と思えるように、過程とともにその後の余韻も大切にしているため、見栄えを良くするために厳しい練習を多く積み重ねるようなことはしません。障手紙に描いた子どもたちの手作りの万国旗が園庭に飾られ、その下で行なう運動会は、ほのぼのとしたぬくもりを感じることができます。
行事にとどめることなく、全領域にまたがる総合活動として関連させ、運動会が終わってからも競技やゆうぎが継続的に、ときには異年齢も交えて続けられて運動遊びがますます盛んになります。言い換えれば、日常生活の積み重ねが運動会に向け盛り上がり、さらに運動会後の活動に活かすことで運動会での効果を持続発展させていきます。このような日常活動との一貫性から、運動会は園内で行うことが大切であると考えています。
運動会は野外の活動なので、体力の調整がまだ不十分である3才児の年少さんは、年中・長さんとは別の日に、3才児独自の運動会をします。この日は年長さんにいろいろ手伝ってもらったりしながら、年少さんらしいほのぼのとした可愛らしい運動会になります。運動会を機会として、戸外活動に対する意欲がますます高まり、異年齢の友だちとの関わりも多くなってきます。お手伝いをする年長さんにも幼い年少さんや観客への気遣い、責任感など、様々な育ちが見られます。
ねらい
- 運動会に向けて、自分たちでできることはみんなで協力して準備をすすめていく。
- 手作りの万国旗を作ることにより、色々な国旗に関心を深め、世界の国々の人々と手をつなぐことの大切さを知る。
- きまりを守り皆で協力することの大切さを実感し、力いっぱい努力して成し遂げる喜びを共感し合い、仲間意識をより深める。
- 大勢の友だちと一緒に行う楽しさを数多く経験し、戸外活動を活発にする。
いもほり
秋の収穫の一つとして「いもほり」があります。年長さんは、自分たちで芋の苗を植え、根付くまで数回水やりや草抜きしたりして世話をします。その後、蔓が伸び、うねの区切りの見分けがつかないほどの成長にびっくりすることもあります。 10月の中頃、苗から育てた芋をいよいよ収穫します。
年少・中さんは、借りた畑まで芋をほりに行きます。土から芋が出てきたときの感動は、ことばに言い表すことができないほどに大きく、友だちや先生の手助けを少し借りながら、大変にぎやかに芋を掘る姿が見られます。自分で据った芋を、おみやげとして得意そうに家に持ち帰るとき、とても満足そうです。
後のお弁当のときにはお芋の料理が目立ち、お母さんの手作り弁当のぬくもりが感じられます。幼稚回では「鬼まんじゅう」や「ふかしいも」にしたりして食べたり、芋版画を作ったり、芋畑から園に持ち帰ったつるや葉で色々な遊びをして楽しみます。
ねらい
- 芋ができるまでの過程を知り、自分で育ててきたことの喜びを感じ、色々な作物を作る人々に感謝する気持ちを抱く。
- 芋がどのようにできているのか、つる・葉など観察しながら遊ぶ。
- 自分の手で掘った芋を持ち帰り、家族の人々と喜びを分かち合う。
年少・中親子遠足
年少さんは、二学期も半ばになれば友だちが増え、園生活も楽しくなって、人に頼ることも減って随分たくましくなってきます。そんな頃10月~11月のうちに、現地集合で親子遠足をします。内容はその年々で考えます。年中さんも以前は観光バスを使って出掛けていましたが現在は年少同様、身近な公園への現地集合です。
ねらい
- 広々とした公園に行き、自然の変化や美しさに感動し、親子共々、日ごろあまり出来ない体験をする。
- 公共物を大切にする気持ちをもち、皆で気をつける。
- 多くの人々に親しみを持つ。(特に友だちのお母さんお父さん祖父母の方々)
父親参観日
毎年11月頃に行われます。子どもたちの園生活を見てもらったり、一緒にゲームに参加したりして、お父さんとの触れ合いを濃いものにします。お父さんと一緒に帰る子どもたちの顔はとても嬉しそうです。
ねらい
- お父さんにも園生活を見てもらえる嬉しさを共に喜び合う。
- お父さんたちと競技することにより、友だちのお父さんにも親しみをもつ。
- お父さんと一緒に帰ることにより、一対一の父親との関係を更に深いものにする。
お店やさんごっこ
お母さんはじめご家族と買い物に出掛けると目にするであろう売り手と買い手とのやりとりは、子どもたちにはとても魅力的に映っています。そのためお店やさんごっこはいつも大変な賑わいを見せてくれます。基本的には子どもたち主導で品物を決めていきますので、制作物の売買だけでなく、時には「ダンスショー」や「こま教室」などユニークな出店があります。
ねらい
- 友だちと相談しながらお店やさんごっこの品物などを決め、協力し合いながら製作する。
- 製作の材料を無駄の無いよう工夫して大切に使ったり、廃材を利用したりする。
- 必要な言葉を交わしながら品物の売買を楽しみ、友だち関係を広めていく。
宝さがし
当園は異年齢間の関わりを重視しており、自主活動中だけでなく、機会ある毎に交流するようにしています。
宝さがしも全園児が参加してのゲームを楽しんでいるうちに、いつの間にか異年齢のペアになるように進めます。その異年齢ペアで協力しながら宝さがしをして、ペアでお昼ごはんを食べ、一緒に遊びます。
ねらい
- 他学年と積極的に交流をもち、異年齢と関わり親しむ経験をする。
- 他学年との交流を通して、上級生への憧れや下級生をいたわる気持ちを抱く。
もちつき
お正月の準備として、もちつきはかつて多くの家庭でされていましたが、現在はすっかり少なくなり、出来上がったものを購入する家庭が多くなってきました。日本古来の風習のもちつきを園で行います。
おくどを園庭に出し、木材を燃やして、もち米をせいろで蒸し園庭でもちつきをします。つき手は募集に手を挙げてくださったお父さん方で、子どもたちの目の前でついてもらいます。最後に子どもたちもつき手のお父さんの補助を受けながら数回つかせてもらいます。きねの重さやお父さんの力強さを実感します。
ねらい
- もちつきに必要な道具がたくさんあることを知る。
- もちつきをすることにより、もち米がお正月に食べるもちになることを知る。
- つき手のお父さんの力強さをあらためて知る。
- 出来上ったもちは、きな粉をまぶして食べ、残りは年明けに炭火で焼きもちにして食べるのを楽しみにする。
クリスマスのつどい
サンタクロースが登場するクリスマスは、子どもたちにとって、とても楽しみな行事の一つです。子どもたちは夢を大きく抱きながら、首を長くして待っています。幼稚園でも子どもたちの夢を育て、情緒を豊かにする楽しい行事の一つとして毎年おこなっています。
なお、当園では宗数的な意味合いをもたせず、季節行事のひとつとして取り扱っています。
ねらい
- 年末になるとクリスマスソングが聞こえてきたり、街に立つサンタクロースを見かけたりする中で、幼稚園で行われる「クリスマスのつどい」に、夢を大きく抱きながらクリスマスツリーを飾ったり、プレゼントを作ったりして準備をすすめていく。
- 手品や歌、劇などのプレゼントを互いに交換しながら喜びを分かち合い、サンタクロースの登場により夢をもっともっと大きくふくらませ、情緒を豊かにする。
その他二学期の主な行事や活動等
【同窓会】【赤い羽根共同募金】【歳末助け合い運動】
同窓会は卒園した小学1年生と2年生が幼稚園に集まって卒園当時の先生や同窓生との再会を懐かしみ、楽しく過ごします。最後に行われるクラス対抗リレーは毎年恒例のクライマックスです。
赤い羽根共同募金・歳末助け合い運動の両募金は、子ども経由で保護者から現金を募れば簡単ですが、当園では子どもたちがもっと参加し身近に感じられるように、子どもたちにも取り扱える古新聞や古着などを約1ヶ月かけて何度も持参してもらいます。そして集まった大量の資源をリサイクル業者にトラックで取りに来ていただき、皆で見送ります。そしてその収益金を募金しています。