小さな考古学者たち?

2学期のある日、帰りの自主活動(自由遊び)中に1人の子どもが
子1「先生っ! これなーにっ!」
と言って園庭から職員室に飛び込んできました。
手に持っていたのは結構大きなコンクリートのがれきのようなもの…
私「どこにあったの?」
子1「外っ!」
(いやぁ、こんなのが園庭にあるはずないよなぁ)
と思いつつバケツを差し出して
私「とにかくここに入れようか。これ庭にあったの?」
子1(興奮した様子で)「うん! 掘ってたら出てきたっ!」
私「ええっ?」
子1「これの正体を突きとめたいっ!!」
(そうか、よし、せっかく湧き出た好奇心なので、もっと盛り上げよう)
そう思って
私「分かった! 庭のどこ?」
子1「こっち! 来て!」
と言うなり駆け出すので慌てて付いていきました。

行き着いたところは園庭の南東端付近。
そこでは数人の子どもたちが園庭の何ヶ所かを掘っていました。

 

子1「呼んできたよっ! 先生!ここから出てきたっ!」
と穴の1箇所を指さしました。
私「おおっ! ここから出てきたんだね!」
子1「うん! これなーに?」
園舎を建て替える5年ほど前に排水路があったことを思い出し、
私「昔ここに水の通り道があったから、その枠とかかなぁ」
子1「へぇ、そうだったんだっ!」
すると別の子が
子2「先生! こっちにはでっかい石があるけど取れない、手伝って!」
私「せっかくお友だちと掘ってるのに?」
子2「おいみんな! 手伝ってくれ!」
他の子どもたち「どれ?」「よし、みんなで掘るぞー!」
皆で掘りながら、
子1「これはなぁに?」
私「随分大きな丸っこい石だね、う~ん、ちょっと分からないなぁ」
子3「少し動いた!」
子4「もう少しだ!」
子2「重っ!」
子1「取れたぁ!」

 

これらの騒ぎに気付いた子どもたちが
「どーしたの?」「何してるの?」
と集まってきて、
「この辺も掘ってみよう!」
「なんだぁ? この根っこは!」
「どっかの木につながってるんじゃない?」
などと大盛り上がり。

 

子どもたちが帰った後は、その場所は穴だらけでした。
このままでは危ないので、さっきの子どもたちの様子を思い出しつつ
(楽しそうだったなぁ)と含み笑いしながら埋め戻しました。

 

次の日、
「今日も掘るぞー!」「おーっ!」
と園庭へ飛び出していく子どもたちが…
様子を見に行くとやはり発掘大会が繰り広げられていました。
(弱ったなぁ)と思いつつ
私「知らずに通った子が穴にはまって怪我をするといけないから、元に戻しておいてね」
子どもたち「はぁい!」

子どもたちだけでは平らにまでは戻せないので後で均しに行く。
この繰り返しが数日続きましたが、土日を挟んだら発掘活動をしなくなりました。
ホッとした半面、ちょっと寂しい気持ちになりましたが、
今後また、子どもたちの新たな好奇心に出会えることを楽しみにしています。